中国ネットショッピング大手の京東集団(JD.com)はこのほど、寧徳時代(CATL)、広汽集団と共同で「国民好車」プロジェクトを立ち上げた。正式発表は「ダブル11(独身の日)」期間中に予定されており、三者がそれぞれの強みを生かして、性能と安全性、デザイン性、航続距離、価格競争力を兼ね備えた純電動車を開発することを目指す。
本プロジェクトでは、「ユーザー需要―技術開発―生産製造―サービス実装」という一連のサイクルを構築し、三者が明確に役割を分担する。京東は消費者データの分析や販売プラットフォームを提供し、製造には直接関与しない。広汽集団は車両の設計と生産を担い、寧徳時代は動力電池技術と交換式バッテリー(スワップ)サービスの技術支援を行う。
為技術(ファーウェイ)の役割に近いという。京東は自社のスマートサプライチェーン技術や物流関連特許、たとえば「知能倉庫スケジューリングアルゴリズム」や「無人配送車の経路最適化技術」などを活用し、電池交換ステーションの配置最適化や物流効率の向上に貢献できるとしている。
寧徳時代はこれまでに約3.9万件の特許を出願しており、その中核技術「チョコレートスワップ」方式は229件の特許で支えられている。広汽集団も、車体一体化鋳造技術やバッテリー防護構造などで豊富な技術的蓄積を有する。三者は今後、特許共有や共同研究開発を通じて、技術の普及化と産業全体のレベルアップを図る方針である。
「国民好車」プロジェクトは、中国の新エネルギー車(NEV)産業が「量から質」への転換を進める象徴的な試みと位置づけられている。ユーザー志向・技術共有・エコシステム共創という新たな産業モデルとして、世界の自動車産業にも新しい方向性を示すものとなる可能性がある。
出所:中国知識産権資訊網
The content of this article is intended to provide a general guide to the subject matter. Specialist advice should be sought about your specific circumstances.